タチツタウルシ Rhus ambigua f. rishiriensis ? の乾果
2014年3月4日、厚沢部町赤沼町
林道沿いに、果実がまだたっぷりと残っているツタウルシがありました。
ツタウルシの果実は脂肪分を含んでいるため、冬場は野鳥や動物たちの貴重な食料のはず。
それがこんなに残っているなんて・・・と思いながら写真を撮っていたら、面白いことに気付きました。
ツタウルシはつる性なので、他のモノに巻き付いて大きく生長します。
ところがこの株は、周りの樹木に巻き付くことなく、まるで一本の木であるかのように自立していたのです。
これにはビックリ仰天。
こんな株は、今まで見たことがありません。
そういえばツタウルシには、つるにならずに立ち上がる「タチツタウルシ」なるものがあると、以前に聞いた記憶がありました。
そこで帰宅後ググったところ、1件だけ詳細な情報が掲載されているページがヒットしました。
それによるとタチツタウルシは、北海道の利尻島で発見、ツタウルシの品種として「リシリツタウルシ」の名で発表され、北海道(渡島・日高・後志・留萌・宗谷(利尻島・礼文島)・根室)と本州北部(青森県・山形県)で記録があるということでした(青森・山形県については、閲覧ページや検索でヒットした論文から個人的に書き入れました)。
また、「茎がつる性ではなく直立するもの」をタチツタウルシというようなので、この株もそれであると思っても良いのではないでしょうか。
全形
2014年3月4日、厚沢部町赤沼町
(写真はクリックで拡大します)
タチツタウルシが現在、分類学的にどのように扱われているかは分かりません。
ですが、面白いものには違いありません。
林道沿いということで、何かの拍子に伐採されてしまう可能性はありますが、生育し続ける限りは様子を見に行こうと思っています。