「山に行ったら次は海でしょう」ということで、友達にどこか良い浜が無いかと聞いてみると、「漂着物がたくさんあって汚い、お前向きの浜がある」と、嬉しくなるお言葉。
早速向かってもらうと、まさに漂着物だらけの理想の浜が広がっていました。
勇払の浜
2014年8月14日、苫小牧市勇払
はやる気持ちを抑えて浜の写真を1枚撮り、いざ、太平洋側初BCに出発! と足を踏み出した瞬間、金縛りにあったかのように体が固まってしまいました。
目の前に、以前から憧れていたフジツボの美麗種、チシマフジツボを全体に付着させたプラスチック浮きが転がっていたのです。
チシマフジツボ Semibalanus cariosus がびっしりと付着したプラ浮き
2014年8月14日、苫小牧市勇払
チシマフジツボは、昔たまたま見ていたテレビで知り、放射状に伸びる突起を纏った純白の姿が美しく、一目惚れしたフジツボでした。
しかし、江差や乙部の浜では1度も見たことが無く、最近ではその存在をすっかり忘れてしまっていました。
それがまさか、こんなところで出合うとは・・・。
天にも昇るような気持ちでしたが、一抹の不安もありました。
このプラ浮きから、道具も無しに果たして無事に剥がせるのだろうか・・・?
恐る恐る指で押してみると、多少力は要りましたが、意外にもぽろっと剥がすことに成功。
ただし、複数個体が固まって付着しているところはどうにもならなかったので、単独か4~5個体のところを狙ってどんどん剥がしていきました。
このプラ浮きは打ち上げられてからまだ間もないらしく、チシマフジツボはほとんどが中身入りで、生きている個体も僅かながらいました。
しかしほとんどの個体は死んでいるようで、すでにウジに食べられている個体もちらほらとありました。
臭いが酷く、近くにあった木の枝で出来る限り中身を取り除き、臭いが少しでも抑えられればと砂もまぶしてみましたが、あまり効果は無さそうでした。
そうして剥がせそうなところはほとんど剥がし終え、それでもまだたくさん付着している様に後ろ髪を引かれつつ、浜歩きを再開。
歩いてみて分かったのは、この浜には結構チシマフジツボが付着しているプラ浮きが漂着しているということでした。
そのため、あれほど憧れていたものでしたが、最後には「チシマフジツボ? もういらない」という状態にまで成り下がってしまいました。
しかし、こうして記事を書いている今、やはりもっとゲットしておくんだったと、後悔の念に苛まれています・・・。
美しいものはいくらでも手元に置いておきたい、欲深い性格なのです・・・。
フジツボ亜目の一種 Balanomorpha sp.
2014年8月14日、苫小牧市勇払
ところで、この浜ではもう一つ、気になったフジツボがいました。
それが、上の写真のフジツボ。
チシマフジツボよりも高さが倍くらいありますが、下部や途中などに、チシマフジツボのような放射状の突起が見られます。
これは別種なのでしょうか?
それとも、こういう姿になるチシマフジツボもいるのでしょうか?
ちょっと気になったので、一緒に載せておきます。
アップ
2014年8月14日、苫小牧市勇払