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2015年 05月 27日

アツミモダマ?

遠征5日目は、行きには通らなかった積丹半島方面を回りながら南下していきました。

道中には小さな漁港が幾つもあり、気になった場所には立ち寄りましたが、その中の一つに「入舸(いるか)漁港」という面白い名前の所がありました。

港をぐるっと回りましたが、たいして漂着物が無いようだったので先へ進もうとした時、漁港の隅に漂着物溜まりを見つけました。

期待はしていませんでしたが、一応チェックするかと近くにあった公衆トイレの横に車を止め、降りて一歩踏み出したところ、足元に小さな茶色い物体が。

次の瞬間、反射的に「モダマ!!」と叫んでしまいました。

何とそこには、長いこと憧れ続けたモダマが1個、ポツンと転がっていたのです。

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アツミモダマ Entada rheedii
2015年5月5日、積丹町入舸町

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発見場所(すぐ右側に公衆トイレがあります)
2015年5月5日、積丹町入舸町


実は今回、Uさんから道北へ行くとお聞きした時に、2つの目標を立てました。

そのうちの一つが、モダマをゲットすること。

道北の稚内では、2012年にモダマが拾われた記録(林・斉藤,2012)があったので、あわよくば僕も・・・と考えたのです。

しかしその目標は達成出来ず、稚内を離れる時にはモダマのことなど頭の中からすっかり消えていました(ちなみに、もう一つの方もダメでした・・・)。

そういった状態だったので、小さな漁港で車から降りてすぐという出合いには、本当にビックリさせられました。

それにしてもなぜ、他に漂着物が無い場所に、これだけが転がっていたのでしょう?

よくカラスが、漂着しているクルミを咥えていって道路に落とすところを見ますが、これもカラスが運んだのでしょうか??

さて、日本に漂着しているモダマは中西ほか(2014)によると、コバモダマ、ヒメモダマ(コウシュンモダマ)、アツミモダマ(新称)、モダマの4種が確認されているとのこと。

今回拾ったものは、形状やサイズからすると、アツミモダマに該当するように思われました。

このアツミモダマは、日本で確認されている4種中、最も漂着が多いモダマということでした。

そして、林・斉藤(2012)で報告された稚内で拾われたモダマも、中西ほか(2014)で、アツミモダマと同定されていました。

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縦33mm、横34mm、厚さ19mm


中学生の時から、拾うことを夢見てきたモダマ。

それからウン十年の歳月を経て、ようやく夢が現実のものとなりました。

これでもう、思い残すことはありません。

浜歩きは卒業です。

今後は、森とそこに暮らす生き物を見つめて生きていこうと、そっと心の中で決意しました。

・・・ということは全く無く、だいぶ遅くなりましたが、これでようやくスタートラインに立てたという気持ちです(何のスタートラインかは分かりませんが笑)。

今後は、身近な浜でモダマを見つけることと、北海道からはまだ記録の無いモダマを見つけることを目標として、浜歩きを続けていこうと決意したのでした。

〈参考文献〉
林 重雄・斉藤由衣,2012.北海道稚内市にモダマ属 Entada sp.種子の漂着.漂着物学会誌,10:35-36.
中西弘樹・深石隆司・林 重雄,2014.日本に漂着するモダマ属植物の種子の再検討.漂着物学会誌,12:15-19.
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by arisuabu | 2015-05-27 20:57 | ビーチコーミング | Comments(6)