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2015年 10月 24日

カメムシタケ

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カメムシタケ Ophiocordyceps nutans
2015年9月17日、厚沢部町

本種は比較的大型で色が綺麗なため、好きな冬虫夏草の一つです。

また、卒論の対象でもあったため、他の冬虫夏草には無い思い入れがあります。

地域によって寄主となるカメムシの種構成が異なり、この辺りの森ではカメムシ科とツノカメムシ科に属する種が寄主のすべてを占めており、カメムシ科ではツノアオカメムシ、ツノカメムシ科ではセアカツノカメムシが最も多く寄主となっています(見つかるのはセアカツノカメムシを寄主としているものが圧倒的に多いです)。

以前に住んでいた江別で調べた時(これが卒論)は、カメムシ科はアシアカカメムシが最も多く記録されましたが、こちらでは未だにそれを寄主としたカメムシタケは見ていません。

また、秋になると越冬のため家屋に大量に襲来するクサギカメムシも、本州以南では寄主として知られていますが、こちらではやはり見たことがありません。

こうした好み(?)の違いは、何によるものなのでしょうか??

そして、道内でも寄主構成に多少の違いがあるようなので、道東や道北(分布しているのかどうかは分かりませんが・・・)ではどのようなカメムシを寄主としているのか、いつか調べてみたいものです。



by arisuabu | 2015-10-24 18:42 | 菌類 | Comments(2)
Commented by 尚 nao. at 2015-10-25 00:29 x
カメムシタケは、こちらでも見つかる数少ない虫草です。
こちらで見るのは宿主はクサギカメムシが多いように思いますが
状態がボロボロすぎて判別付かないのもあるので、確かではありません。
宿主の選択は、昆虫の方の分布状況なども影響するでしょうし
どこに答えがあるのかわかりませんね。でも興味深いネタです。
Commented by arisuabu at 2015-10-25 19:44
尚 nao. 様
こういうのは、寄生する側の菌類と寄生される側の昆虫の、色々な条件が複雑に絡み合っているのかもしれませんね。
それを解き明かそうとは思っていませんが、せめて各地の寄主の傾向は知りたいところです。
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