前日に6稜のゴバンノアシを拾った浜にはまだ先があったので、この日もまた片道4時間かけて行ってきました。
この日はまず、前日歩かなかった波打ち際近くからスタート。
しばらく進むと、サルボウに似た形のぽってりとした二枚貝が、ポツンと落ちているのが目に付きだしました。
初めは特に気にせず素通りしていましたが、そのうちに気紛れに拾い上げた物を見ている時に思い出しました。
「あれっ、この貝ってもしかして、尚 nao.さんのブログで紹介されていたアレでは・・・」
その場で急ぎ尚さんのブログにアクセスして見比べると、どうも同じモノのよう。
それは、フネガイ科 Arcidae の「ハイガイ」という貝でした。
ハイガイ Tegillarca granosa 1
2016年1月5日、千葉県南房総市
ハイガイは、内湾の潮間帯~水深10mほどの泥底に生息し、約6000年前の縄文時代には北海道南部まで分布していたことが貝塚の調査から判っているそうです。
しかしその後、環境変化や開発の影響などで分布域が著しく縮小し、現在国内で確実に生息しているのは有明海だけだとか・・・。
尚さんの
記事によると、三浦半島では9500年前くらいに出現し、6500~5500年前をピークにその後減少、1500年前頃には絶滅してしまったということです。
ハイガイ Tegillarca granosa と、すぐ横を通り過ぎた足跡
2016年1月5日、千葉県南房総市
何気なく落ちている貝殻が、実は数千年前の物だというのは、何だか凄い感じです(と言っても、一見すると普通の貝殻なので、あまり実感は湧きませんが)。
この時拾ったのはどれもやや摩耗した殻ばかりだったので、次の機会があったら、もっと新しそうな状態の物や、逆に尚さんのブログの最後で紹介されているいかにも化石といった感じの物が拾えたらと思います。
拾い集めたハイガイ Tegillarca granosa
タマガイ類に捕食されたのか、殻頂に穴の開いた殻もしばしば見られました
2016年1月5日、千葉県南房総市で採集